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地震保険の査定がわかりにくいと感じる理由は?建物・家財の査定基準を詳しく説明

公開日:2026年3月18日

地震保険の査定がわかりにくいと感じる理由は?建物・家財の査定基準を詳しく説明

地震保険の保険金は、保険会社の担当者が現地で被害状況をもとに判定した損害区分に応じて支払われます。そのため、判定された区分が想定と異なると「査定が厳しい」と感じるかもしれません。
しかし、査定の基準に保険会社や保険会社の担当者による違いはなく、共通の基準に基づいて判断されます。

この記事では、地震保険の査定が厳しいといわれる背景や査定のポイント、建物・家財それぞれの損害認定基準について、わかりやすくご説明します。

ポイント

  • 地震保険では「一部損」に該当しない損害は保険金の支払対象となりません。
  • 地震保険の保険金は、実際の修理費や再購入費用よりも少なくなるケースがあります。
  • 地震で建物や家財に損害が生じたら、片付ける前に被害箇所を写真で記録しておくことが大切です。

目次

地震保険の査定が厳しいといわれる理由

地震保険の査定が厳しいといわれる要因には、以下のような地震保険のしくみが関係しています。

損害の程度で支払割合が大きく変わるため

地震保険では、損害の程度に応じた4つの区分が設けられており、認定された区分によって支払割合が大きく変わります。

損害区分 保険金の支払割合
全損 地震保険の保険金額の100%(時価額が限度)
大半損 地震保険の保険金額の60%(時価額の60%が限度)
小半損 地震保険の保険金額の30%(時価額の30%が限度)
一部損 地震保険の保険金額の5%(時価額の5%が限度)

※保険始期日が2017年1月1日以降の地震保険契約の場合
※出典:
※2025年11月執筆時点

たとえば「全損」なら、契約時に設定した保険金額の100%が支払われますが、「一部損」の場合は5%です。全損〜一部損に該当しない場合は、保険金は支払われません。

損害認定には明確な基準があるため

地震保険の査定は、各社共通の「地震保険損害認定基準」に基づいて行われます。客観的な数値に沿って判断されるため、見た目の被害に比べて損害区分が低い場合、「査定が厳しいのでは」と感じることがあるかもしれません。

具体的な査定基準は「地震保険の建物の査定基準」「地震保険の家財の査定基準」をご覧ください。

主要構造部以外の損害は支払判断に無関係のため

地震保険では、主要構造部(基礎・柱・壁・屋根など)以外の損害は、保険金の支払の判断に関係ありません。
たとえば、地震で窓ガラスが割れた場合や、門・塀・車庫などが損傷した場合でも、主要構造部に損害が生じていなければ保険金は支払われません。

支払われる保険金は修理費より少ないことがあるため

地震保険は、実際の損害額を補償する保険ではありません。保険金は損害区分に応じて支払われるため、建物の修理費や家財の買い替え費用よりも少なくなる可能性があります。

地震保険の保険料・保険金はいくら?相場や必要性

地震保険で納得のいく査定を受けるためのポイント

地震保険の査定を受ける前に、以下の2つのポイントを押さえておきましょう。

主要構造部の被害を把握しておく

地震保険の建物の査定では、基礎・柱・壁・屋根などの「主要構造部」の損害が確認されます。
主要構造部の被害箇所をあらかじめ確認しておけば、査定時に保険会社の担当者に伝えることができます。被害状況をより正確に把握してもらうことで、納得いく査定結果を得やすくなるでしょう。

被害状況がわかる写真を撮っておく

地震による被害が生じた際は、修理や片付けを行う前に、できるだけ被害箇所の写真を残しておくことが大切です。写真があると、査定時に損害状況を把握してもらいやすくなります。
建物は、全体がわかる写真と損傷箇所の写真をそれぞれ複数の角度から撮影しておきましょう。家財は、品目ごとに損傷箇所がわかる写真を残しておくと安心です。

地震保険の建物の査定基準

納得のいく査定を受けるためには、事前に査定基準を理解しておくことが大切です。地震保険における建物の損害は、被害の種類によって損害認定基準が異なります。

  • 地震の揺れによる建物の損害
  • 地震による火事や津波で建物が焼失・流失した場合
  • 地震による津波で建物が浸水した場合
  • 地震による液状化で建物が傾いた・沈下した場合

なお、地震を原因として地すべりなどの災害が発生し、建物全体が危険な状態となり継続して居住できなくなった場合(一時的な避難を除く)は、「全損」として扱われます。

地震の揺れによる建物の損害

地震の揺れによる建物の損害は、基礎・柱・壁・屋根などの主要構造部に生じた損害の程度によって認定されます。
主要構造部は建物の強度や機能を保つうえで重要な部分であり、損害の有無や程度を判断する際の確認対象となります。建物全体の柱の本数のうち地震によって損傷した柱の本数、建物の基礎の外周布コンクリートのうち地震によって損傷したコンクリートの長さの割合、屋根全体のうち地震によって損傷した面積の割合、建物全体の外壁のうち地震によって損傷した外壁の面積の割合などから時価額に対する損害割合を算出し、それに基づき下表のとおり損害の区分を判定します。

区分 時価額に対する損害割合
全損 50%以上
大半損 40%以上50%未満
小半損 20%以上40%未満
一部損 3%以上20%未満

※出典:
※2025年11月執筆時点

地震による火事や津波で建物が焼失・流失した場合

地震を原因とする火災・津波などで建物が流失したり、焼失したりした場合は、残存する床面積の割合(どれだけの部分が焼失・流失したか)によって損害区分が判断されます。なお、下表の全損〜小半損に該当しない場合であっても、津波によって床上浸水または地盤面から45cmを超える浸水を受けて損害が生じたときは、「一部損」と判断されます。

区分 焼失・流失した床面積の割合
全損 70%以上
大半損 50%以上70%未満
小半損 20%以上50%未満

※出典:
※2025年11月執筆時点

地震による津波で建物が浸水した場合

木造住宅と鉄骨造住宅(一戸建て)では、津波による被害が生じた場合に、浸水の高さや損傷の程度での損害認定も行われます。平屋建て以外の判定基準は、下表のとおりです。

区分 津波による損害
全損 180cm以上の床上浸水を被った場合
または
地盤面から225cm以上の浸水を被った場合
大半損 115cm以上180cm未満の床上浸水を被った場合
または
地盤面より160cm以上225cm未満の浸水を被った場合
小半損 115cm未満の床上浸水を被った場合
または
地盤面より45cmを超えて160cm未満の浸水を被った場合
一部損 基礎の高さ以上の浸水を被った場合で
全損、大半損または小半損に至らないとき

※出典:
※2025年11月執筆時点

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地震による液状化で建物が傾いた・沈下した場合

液状化とは、地震の強い揺れによって地盤が液体のような状態になる現象のことです。たとえば、木造住宅と一戸建ての鉄骨造住宅では、液状化による建物の傾きや沈下が一定の基準を超えると下表のとおりに認定されます。

区分 傾斜 最大沈下量
全損 1.7/100(約1度)を超える場合 30cmを超える場合
大半損 1.4/100(約0.8度)超〜1.7/100(約1度)以下の場合 20cm超〜30cm以下の場合
小半損 0.9/100(約0.5度)超〜1.4/100(約0.8度)以下の場合 15cm超〜20cm以下の場合
一部損 0.4/100(約0.2度)超〜0.9/100(約0.5度)以下の場合 10cm超〜15cm以下の場合

※出典:
※2025年11月執筆時点

液状化現象に地震保険は使える?補償される条件や被害例、保険金はいくら?

地震保険の家財の査定基準

地震保険に家財補償を付けている場合は、地震や津波による家具・家電・衣類などの損害も補償の対象となります。家財の損害区分も、建物と同じく「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4区分です。
各区分は、家財全体の時価に対してどの程度の損害が生じているか(損害額の割合)によって判断されます。

区分 家財全体の時価に対する損害割合
全損 80%以上
大半損 60%以上80%未満
小半損 30%以上60%未満
一部損 10%以上30%未満

※出典:
※2025年11月執筆時点

家財の被害は、以下の5つに分類して調査されます。

  • 食器類
  • 電気器具類
  • 家具類
  • 身回り品その他
  • 寝具・衣類

これらの分類ごとの損害割合を合計し、家財全体の損害割合を算出することで、最終的な損害区分を決定するしくみです。

地震保険の査定に納得できない場合の対処法

地震保険の査定に納得できない場合は、まず保険会社に連絡し、査定結果の根拠や判断理由を確認してみましょう。説明を受けるなかで、認識の違いが解消されたり、状況を理解できたりする可能性があります。

地震保険の保険金を請求する流れ

地震保険の保険金請求は、一般的に以下の流れで行われます。

地震保険の保険金を請求する流れ

地震や津波などで建物や家財に被害が生じた場合は、まず契約している保険会社に連絡しましょう。連絡後、損害調査の日程を調整し、調査当日は保険会社の担当者が現地を訪れて被害状況を確認します。
その後、調査結果に基づいて損害区分と保険金が決まり、請求手続きを進める流れとなります。請求にあたっては、保険金請求書などの必要書類に加え、被害状況がわかる写真の提出が求められる場合があります。

地震保険の査定後、保険金はいつ支払われる?

地震保険の保険金は、通常は請求手続きが完了した日から30日以内に支払われます。
ただし、地震被害の状況によっては警察・消防・専門機関などへの確認が必要になる場合や、被災地が災害救助法の適用対象地域になった場合、また首都直下地震、東海地震、東南海・南海地震の場合などは、30日を超えることもあります。

地震保険の保険金を請求する際の注意点

ここでは、保険金請求に関して知っておきたい注意点をご説明します。

地震保険の請求は被保険者自身が行う

地震保険の保険金請求は、被保険者自身が行いましょう。
申請手続きを代行すると称する業者も存在しますが、保険金から手数料を差し引かれて、受け取れる金額が少なくなったり、詐欺行為に加担させられたりといったトラブルも報告されています。

こうしたトラブルに巻き込まれないためにも、保険金請求は自身で行い、不明点があれば保険会社に相談しましょう。

3年を経過すると保険金が支払われない

地震保険の保険金が支払われるのは、損害が発生した日の翌日から起算して3年以内です。3年を過ぎると時効となり、たとえ損害があっても保険金が支払われなくなる可能性があります。
地震により建物や家財に損害が生じた際は、早めに手続きを進めることが大切です。

地震保険の査定基準を理解しよう

地震保険の査定は明確な基準に基づいて行われるため、損害区分によっては想定より保険金が少ないと感じる場合があります。査定結果に納得するためには、被害状況を自分でもしっかりと確認し、写真などで記録しておくとよいでしょう。

また、いざというときに「補償が足りなかった」とならないよう、契約内容を見直しておくことも大切です。地震保険はカジノチップ​とセットで加入するしくみで、地震保険そのものの補償内容はどの保険会社でも同じです。一方で、カジノチップ​の補償内容や保険料は保険会社ごとに異なります。

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地震保険は明確な基準で査定されるため、損害区分によって受け取る保険金が修理費と異なる場合があります。被害発生時は主要構造部の損傷を写真で記録し、早めに請求手続きを行いましょう。

地震保険の査定に関するよくあるご質問

Q地震による壁のひびは地震保険で補償されますか?
A

地震によって壁にひびが入るなどの損害が発生した場合は、地震保険の補償対象となります。ただし、損害の程度が一部損に満たない場合は、保険金が支払われません。

Q地震保険の保険金額は、なぜカジノチップ​の保険金額の50%までしか設定できないのですか?
A

地震保険は「被災後の生活の安定を支えること」を目的とした制度であり、カジノチップ​のように建物を元どおりに修理・再建することを全額補償する保険ではありません。

また、大規模な地震が発生して一斉に多額の保険金の支払いが生じた場合でも制度が成り立つよう、地震保険の保険金額には「カジノチップ​の保険金額の50%まで」という上限が定められています。

Q地震保険の損害認定の基準と、公的支援金の判定基準は同じですか?
A

損害保険会社が地震保険の査定で用いる基準と、被災者生活再建支援金などの公的支援の判定に用いられる基準は異なります。

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